コラム|祇園一力茶屋の場

東銀座の歌舞伎座では、一月と二月は高麗屋三代の襲名披露興行で連日大入りが続いている。幸四郎改め二代目松本白鸚、染五郎改め十代目松本幸四郎、金太郎改め八代目市川染五郎という親子三代の襲名披露は37年前の同じく高麗屋までさかのぼる。
今月は昼の部で新幸四郎が「一條大蔵譚」で大蔵卿を熱演。先月「勧進帳」の弁慶も評判だった。夜の部では、新白鸚と孫の新染五郎が大星由良助と息子力弥を演じる「仮名手本忠臣蔵祇園一力茶屋の場」が話題を呼んでいる。通し狂言の「七段目」にあたる。「一力茶屋」を舞台に由良助が連日連夜酒に酔い遊女相手に遊びまくる。しかし本心は主君の仇・高師直を殺す一念を隠す名場面。相手側へ寝返った旧同僚への憎しみやお軽への哀れみを演じ分ける新白鸚は貫禄の芝居。今回は配役に工夫があり、偶数日をお軽に尾上菊之助・寺岡平右衛門に市川海老蔵、奇数日を坂東玉三郎・片岡仁左衛門が演じている。ファンにとっては同じく舞台で違った味わいが楽しめるという趣向になっている。25日まで。