朝日新聞出版発行「週刊朝日」12月8日号掲載の「歌謡曲黄金時代を語る」が話題を呼んでいる。司会はさきごろ「阿久悠と松本隆」(朝日新書)を出した中川右介氏。作詞家の松本隆氏と作曲家大野克夫氏の話は、まさに昭和歌謡曲の黄金時代。阿久悠+大野克夫コンビで「時の過ぎゆくままに」からはじまった沢田研二のヒット曲について、大野氏はバンド活動もあり「アルバムを1年に2枚出していましたからね。地方のホテル、移動中の車、スタジオ(録音)の前で書くこともありました。『勝手にしやがれ』だけは、収録前日まで詞とにらめっこしていましたね。夜になって、あのイントロがフッと浮かんだんです。奇跡的に」。80年代に入ると、阿久悠氏の仕事量がガタンと減る。松田聖子、近藤真彦らの時代は松本氏の独壇場。大野氏は「70年代に書き続けて、82年の木の実ナナ&五木ひろし『居酒屋』で最後のお土産いただいたような気がしています」と語る。最後に松本氏は「大野さんと若いときに会ってたら、お互いに全然違う音楽人生になっていたかもしれませんね」と感慨深げに語っている。(終わり)
松本隆・大野克夫対談②
