松竹映画創立100周年記念作品で、山田洋次監督最新作「キネマの神様」(松竹配給)が8月6日㈮からいよいよ公開される。7月17日には、NHK・BSとBS4Kで公開記念番組「山田洋次の青春~映画の夢 夢の工場~」が放送された。東宝スタジオのセット撮影からロケーション、音楽録音風景などポストプロダクションまで密着した。撮影現場では、脚本の解釈に迷うと朝原雄三共同脚本家が呼ばれる場面もあり、90分があっという間にすぎた。
「城戸四郎の哲学 松竹大船調」と題したコーナーでは、昭和40年代「男はつらいよシリーズ」大ヒット中の話が興味深かった。城戸社長が築地市場を歩いていると、顔を知ってる店員が「社長、寅さん見ました。とてもおもしろかったですよ」と声をかけた。城戸社長が山田監督にその話をしたという。庶民の映画じゃなきゃいけないが哲学だった。
ふたりの師匠、監督の野村芳太郎監督と脚本家の橋本忍氏を語る山田監督は遺言を語るように次世代へ残す言葉だったのだろう。番組の最後には、89作目の山田監督が「監督って、なにをする仕事かわからない」とつぶやいた。
「キネマの神様」の話題をもうひとつ。築地の松竹本社がある東劇ビル壁面に巨大広告が出現し、通行人は足を止めて、見上げている。
松竹「キネマの神様」公開前に
