㈱キネマ旬報社(星野晃志社長)発行の「キネマ旬報」恒例の「映画本大賞2020」がさきごろ発表された。名匠野村芳太郎監督の日本映画史に残る名作「砂の器」はじめ初の全映画作品発言集『映画の匠 野村芳太郎』(野村芳太郎著、小林淳/ワイズ出版編集部編、野村芳樹監修。ワイズ出版刊)が大賞に輝いた。503ページの力作。3960円(税込み)は高くない。カバー表のカラー写真は代表作の一本「五瓣の椿」、裏が「張込み」でカバーを取れば表紙に「伊豆の踊子」「どんと行こうぜ」「鬼畜」など監督作品のタイトルロゴが踊っている。本を開くと、山田洋次監督の「野村さん、わが師」からはじまり、映画評論家の小林淳さんが「足跡とその作品」、野村監督が「全作品を語る」と「語録」はエッセイ・インタビュー・対談や座談が並ぶ。岩下志麻さん、大竹しのぶさんら関係者の証言も楽しい。フィルモグラフィーは監督作品はじめ、製作者としての野村芳太郎監督の足跡を確認できる。
筆者は代表作「砂の器」はもちろん、製作としてクレジットされている「人生劇場」「花と龍」「宮本武蔵」「八甲田山」など大作がよみがえった。
キネマ旬報「映画本大賞」発表
