コラム|依田義賢 人とシナリオ

シナリオ作家協会から出版された「依田義賢 人とシナリオ」が静かなブームを呼んでいる。出版は2014年で、大阪芸術大学の出版助成事業のひとつ。映像学科の西岡琢也教授(シナリオ作家)らの研究成果でもある。編集後記で西岡氏は「大学映像学科のシナリオ授業は、とても充実している。他の映像関連学科を有する大学や専門学校と比べても、シナリオ重視の考えは抜きんでている。それはひとえに、初代映像学科長の依田義賢氏のおかげである。しかしそれを知る者は少ない。今回大学当局の御理解を頂き、助成を受ける本書が出版され、依田氏の人と業績が本学学生や関係者のみならず、広く世に知らしめる事が出来て誠に喜ばしい」と書いている。
依田氏は溝口健二監督作品「雨月物語」はじめ、本年の第9回京都ヒストリア国際映画祭オープニングを飾り、大きな反響を呼んだ「近松物語 4Kデジタル復元版」など後世に残る作品が多い。この本では、この2作も収められ、勝新太郎の代表作のひとつである「悪名」(第一作)のシナリオや詩集、年譜、執筆脚本リストなどという依田氏の業績を網羅していて、シナリオ研究者はもとより、ひろい意味での映画愛好家にとって、好個の読み物になっている。