コラム|菊之助の歌舞伎座公演

東銀座の歌舞伎座芸術祭十月大歌舞伎は昼の部が新作歌舞伎・極付印度伝「マハーバーラタ戦記」を上演中。尾上菊之助が主演を務める奮闘公演だ。世界三大叙事詩のひとつを歌舞伎化した。筋書(プログラム)を見ると、菊之助が補綴(ほてつ)と振付も担当し、日印友好交流年にふさわしく考えた出しもの。開演の11時から終演は15時40分で、序幕・二幕目・大詰まで通し狂言として描く。神々と人間が織りなす世界が現代にも通じる哲学やドラマとなり、菊之助が太陽神の子・迦楼奈(カルナ)を、NHK大河ドラマで人気の尾上松也が敵役で帝釈天の子・阿龍樹雷(アルジュラ)を演じ、それぞれ神の世界でシヴァ神と梵天の二役。尾上菊五郎は那羅延天とその化身・仙人久理修那役。序幕の幕開けは神々の世界で「仮名手本忠臣蔵」大序を思わせる格式で荘厳に見せ、迦楼奈を身ごもる汲手姫の場面や競技場、大詰の仙人が迦楼奈を諭すところや戦場など緩急を織りまぜ見事な舞台となっている。浄瑠璃、清元と下座音楽もインド楽器も入れるなど凝った演出も。青木豪脚本、宮城聰演出。夜の部は、坂東玉三郎の「沓手鳥孤城落月」など。25日まで。