黒澤明の映画はこう作られた

11月8日㈰午後7時からNHK・BS1スペシャル「黒澤明の映画はこう作られた~証言・秘蔵資料からよみがえる巨匠の製作現場~」が放送された。世界の映画監督や映画ファンが愛してやまない黒澤明監督。亡くなって22年経つ今、遺言ともいえる常連出演者やスタッフ、関係者の証言やこれまで公開されてこなかった秘蔵資料、NHKに眠る黒澤映画の現場記録映像がふんだんに見られ、驚きと共に「ああ、この撮影現場にいた!」とか、「こんな風に撮影していたんだ!」などテレビ画面に向かっていた。
証言者は全30作のうち19本に携わったスクリプター(記録係)野上照代や撮影助手だった文化功労者の木村大作監督・撮影監督らや俳優の仲代達矢、山﨑努、井川比佐志が貴重な思い出を語った。1時間40分があっという間に過ぎた。新聞記者時代「乱」阿蘇山ロケ、「夢」セット撮影を取材。その時もそうだったが、黒澤監督のそばに「演出補佐」の肩書で本多猪四郎監督がいつもいた。「影武者」北海道ロケを見学したジョージ・ルーカス、フランシス・F・コッポラの両監督がディレクターチェアに座る黒澤監督の後ろで仁王立ちする人物を差し誰だと聞いた。ミスター・ホンダと言うなり「イッツ・ゴジラ!」と言って質問攻めにしたという。(敬称略)