J=P・メルビル100年

フィルムノワールの巨匠、ジャン=ピエール・メルビルは、今からちょうど100年前、1917年10月20日仏パリに生まれた。
第二次世界大戦に従軍、ダンケルクの戦いで英国に渡ったが、単身フランスに戻り、対独レジスタンスに参加した。この経験がレジスタンス物の名作「海の沈黙」「影の軍隊」を生む。ちなみにこの時、ユダヤ系だった彼は「白鯨」の原作者の名前にあやかり、メルビルと改名。戦後、自ら映画を作り始めたが、助監督修業なしに監督になったのは、映画黎明期を除き初めてで、メルビルはやがてヌーベルバーグの精神的父親と呼ばれるようになる。大スター、ジャン=ポール・ベルモンド主演「モラン神父」「いぬ」、アラン・ドロン主演「サムライ」「仁義」「リスボン特急」と、男たちの絆と裏切りを描き続けた。
ゴダールの名作「勝手にしやがれ」に有名人役で出演、ジーン・セバーグに『あなたの最大の野心は?』と聞かれ、『不老不死になって死ぬことさ』と不敵なセリフをはいている。
なお、生誕100年を記念して角川シネマ新宿他で特集上映、フィルムセンター展示室では展覧会など各地でイベントが開催される。