コラム|忘れるのは早い

大学生に“平成の前の年号は何でしたか?”という質問をしたら「昭和」と知っている人は多かったが、ではその前はどうかと問うたところ「大正」と正解したのは三分の一だけだったという。劇作家で東宝専務取締役だった菊田一夫氏の「忘却とは忘れ去ることなり」とは「君の名は」(52年スタートのNHKラジオドラマがオリジナル。“放送時、お風呂屋が空になった”の伝説を生んだ。53年には松竹で映画化。岸恵子のストール「真知子巻き」ブームに。三部作はいずれも大ヒット)の名言だが、時間の経ったことの早さに人間は忘れることで対処しているように思える。
政府の統計がやたらと多いが、「新聞、書籍、雑誌、広告に出てくる統計資料や数字は、それを認める前に、もう一度検討してみる必要がある」と、ダレル・ハフ著の「統計でウソをつく法」にあった。コンニャク、トコロテンなどテレビが身体によいと喧伝したものが、もう忘れ去られてしまっている。
統計の正確さは、サンプル数がいかに多いかで決まる。千や三千では衆意はわからない。マスコミの責任も問題だが、大衆は熱しやすく冷めやすい。