「若尾文子映画祭」アンコール

現在、角川シネマ有楽町で絶賛上映中の「若尾文子映画祭」アンコール(配給KADOKAWA)。連日、往年の若尾文子ファンを中心に、新たに若尾ファンとなった若い映画好きたちを巻き込み好動員している。ロビーには、かつて大映の封切館で見られたポスターやロビーカードなど懐かしい宣材物がところ狭しと飾られている。
今回のアンコール上映は、好評だった「刺青」「赤線地帯」「浮草」「しとやかな獣」(4K復元版)はじめ、新たに「獣の戯れ」「処女が見た」「閉店時間」「十代の性典」「永すぎた春」「夜の素顔」「あさ潮ゆう潮」「花嫁花婿チャンバラ節」「心の月日」が上映される。若尾は大映東京撮影所作品が多く、大映京撮の宮川一夫キャメラマンや西岡善信美術監督ら名手との仕事はあまりなかったが、溝口健二、小津安二郎の巨匠や増村保造という鬼才監督に使われ大女優の礎(いしずえ)を築き、富本壮吉、島耕二、田中重雄らベテラン監督や職人的な技術者と組み、映画史に残る作品を作り上げた。音楽は伊福部昭門下の小杉太一郎(処女が見た、あさ潮ゆう潮)、池野成(夜の素顔)や、現在NHK朝ドラ「エール」の主人公モデルになった古関裕而(永すぎた春)の映画音楽も楽しめる。すべてデジタル上映。22日まで。

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