コラム|スタッフの集合力

1953年(昭和28年)9月、ヴェネツィア国際映画祭は、溝口健二監督の「雨月物語」に銀獅子賞を贈った。続いて、その翌年もまた「山椒大夫」で銀獅子賞と、溝口健二の名は世界的に知られることとなった。
「雨月物語」は上田秋成の原作を、川口松太郎と依田義賢が共同でシナリオ化し、撮影宮川一夫、音楽早坂文雄、音楽補佐斎藤一郎、主演京マチ子、森雅之、田中絹代という最高のスタッフで、大映京都撮影所の技術陣が、その幽幻の世界を見事に描出した。
これよりさき、50年(同25年)には、黒澤明監督の「羅生門」が同じ映画祭で金獅子賞に輝いている。芥川龍之介原作、脚本橋本忍と黒澤監督で、撮影宮川、音楽早坂と「雨月物語」のスタッフが重なっているのが面白い。主演は京、森に三船敏郎で、京と森も両方の作品に出ている。
名作は監督の力だけでは作り得るものではないことを、この事実は証明している。
スタッフの集合力が映画製作面でいかに大切かを思い知らされる。

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