「あかねさす紫の花」「哀しみのコルドバ」「琥珀色の雨にぬれて」「うたかたの恋」「星影の人」など宝塚歌劇史上最も再演の多いベテラン演出家柴田侑宏氏(享年87歳)が亡くなったのは昨年の7月19日だった。今年この日、宝塚歌劇専門CSチャンネルのタカラヅカ・スカイ・ステージで『柴田侑宏追悼特別番組「かぐわしき余韻の記憶~演出家・柴田侑宏の美学~」』が2時間にわたって放送された。特別番組は汀夏子、麻実れい、大地真央、杜けあき、黒木瞳、紫苑ゆう、安寿ミラら歴代のトップスターが思い出の舞台を振り返り、柴田氏を懐かしんだ。この日は代表作、雪組トップスター杜けあき退団公演「忠臣蔵」(92)なども放送され一周忌特集となった。故松尾昭典監督は実兄。
筆者とは、コンビを組んだ作曲家寺田瀧雄氏(00年死去)との縁もあり、宝塚歌劇団100周年の2014年夏、旧宝塚音楽学校講堂でトークショーを主催、構成・演出と司会も担当。あの時あの舞台の秘話をたっぷり語っていただいた。関係者によると、一周忌法要はごく近しい方のみで営まれたという。飾られた遺影は、開催前に取材してもらった朝日新聞社の滝沢美穂子カメラマンによるもの。ご本人とご家族が気に入った一枚である。関われたことに感謝します。
宝塚名演出家柴田侑宏氏一周忌
