東宝㈱(島谷能成社長)は4月14日、20年2月期連結決算を発表。営業収入、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも歴代一位の好成績だった。
創業者は小林一三翁。松岡功名誉会長の祖父。東宝のモットーは『朗らかに、清く正しく美しく』。同じモットーを創立以来守っている宝塚歌劇団はいつの間にか「朗らかに」が取れてしまい、一三翁の本来のモットーは東宝グループに残った。東宝グループは、『健全な娯楽を広く大衆に提供すること』を使命として、『吾々(われわれ)の享(う)くる幸福はお客様の賜(たまもの)なり』の価値観を共有し『朗らかにー』を行動理念として、信頼され続ける企業でありたいと「コーポレートガバナンス」で高らかに謳っている。
創業は1932年(昭和7年)の㈱東京宝塚劇場(小林一三社長。34年東京宝塚劇場開場)を起源として、さまざまな関係会社の設立、合併を行い、43年映画の製作、配給、興行および演劇興行の総合的一貫経営をすることになり、現在の「東宝株式会社」に改称した。時に昭和18年であった。筆者は、かつて東宝梅田会館にあった梅田劇場の事務所で『吾々のー』をはじめて見て読み、一三翁への旅がはじまった。現在は一三翁の東京での足跡をひとつずつ踏みしめているところである。
東宝連結決算は歴代一位
