『若尾文子映画祭』上映中

KADOKAWA配給の『若尾文子映画祭』が2月28日から角川シネマ有楽町で始まった。映画全盛時代に若尾ファンだった映画好きを中心に集客し堅実なすべり出し。ロビーには、封切り当時のポスターや資料で作った切り出しやスチール写真、プレスシート、スタジオメールなど公開時の大映封切館と見間違うほどところ狭しと並んでいる。特製パンフレットもよく売れていた。表紙カバーをめくると、なんと若尾さん直筆のサインとメッセージがあった。「女優になりたかったというよりは、自分ではない誰かになりたいと思い、十代で飛び込んだ世界です」からはじまり、「溝口(健二)先生や小津(安二郎)先生、そして何より増村(保造)さんとご一緒させて頂いたことはどんなに運がよかったかと改めて感じます」と綴っている。
メッセージはまだまだ続くが、それはパンフレットを手にしていただくとして、添えられた写真は撮影中のオフショットなのか、若尾さんが8ミリ撮影機を手にしているほほえましいショットや大映が誇る作品資料の数々には驚くばかり。若尾映画祭最大の売りものは「刺青 4k復元版」の初披露。女優の背中に絵の具ではあるが背中一面に蜘蛛の刺青は当時かなりショッキングなはず。1回目の上映を見逃し、次回上映が待ち遠しい。