コラム|賛否両論関ヶ原

東宝の伊勢伸平宣伝部長が『圧倒された。この衝撃と興奮は「シン・ゴジラ」を見た時、早く誰かと語り合いたい、それと同じ思いにとらわれた』(「映画時報」8月号)と話していた、原田眞人監督最新作「関ヶ原」(東宝=アスミック)が公開された。
30億円超え狙える大ヒットスタートとなったが、本作は公開前から業界関係者の間で賛否両論を巻き起こしている。『上映時間2時間半の長さを感じさせない』とする一方で、『セリフが早すぎて聞き取れない』などなど。
C・ノーラン監督「ダンケルク」(WB)もそうだが、この戦争映画は負け戦を描いている。勝利のカタルシスのないところで観客は何を感じるか。関ヶ原の結果は見る人誰もが知っているわけだから、家康の勝利は既定路線と思うか、三成側も良い線行っていた、いや勝機もあったと思うか。一世一代の勝負に出た石田三成の人物像が鍵だろうか。
ところで、最近の歴史学では、家康を挑発した「直江状」、上杉征伐途上の「小山評定」、小早川秀秋の裏切りを促した家康の「問鉄砲」等は史実でないとされており、本作にも登場しない。