文化庁映画賞贈呈式

第32回東京国際映画祭は11月5日、東京グランプリ/東京都知事賞にデンマーク映画「わたしの叔父さん」を選出し、クロージングを迎えた。オープニングは10月28日で、同じ会場では「文化庁映画賞贈呈式」が開かれていた(本紙30日付既報)。注目は「映画功労部門」に選ばれた映画音楽家の渡辺宙明氏。1925年生まれの94歳。現在はテレビ中心ではあるが、バリバリの現役だ。
表彰理由は次の通り。ラジオドラマ音楽を経て、中川信夫監督「人形佐七捕物帖 妖艶六死美人」(昭和31年)で映画音楽デビュー。以後、新東宝作品では中川信夫監督「東海道四谷怪談」(同34年)「地獄」(同35年)、大映作品では山本薩夫監督「忍びの者」(同37年)、安田公義監督「妖怪百物語」(同43年)など多くの映画音楽を担当した。「人造人間キカイダー」(同47~48年)「マジンガーZ」(同47~49年)「秘密戦隊ゴレンジャー」(同50~52年)「宇宙刑事ギャバン」(同57~58年)など、TVアニメや特撮ものの劇中音楽、主題歌も数多く手がけ、現在も「プリキュアシリーズ」などに新曲を提供するなど活動を続け、評伝も出版された。また90歳を迎えた際には「渡辺宙明『日活映画音楽傑作選』」が発売されるなど作品の音盤化により映画音楽文化を振興した功績も大きい。

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