中井貴惠の「小津日和」を見た

女優中井貴惠さんがひとりで小津安二郎監督の名作を演じる、小津安二郎を聞く「小津日和」が10周年を記念し、貴惠さんの母校・早稲田大学小野記念講堂で10日から14日まで開かれた。映画上映もあった。筆者は「東京物語」から「秋刀魚の味」まで音楽を担当した斎藤高順先生の息子さん、民夫さんと二人で観劇。主催オンザフィールド。協力早稲田大学文化推進部、松竹、オフィス小津など。
10周年記念公演の今回は、早稲田文化芸術週間参加で5日間にわたって開催(12日は台風19号のため休演)。初日は特別企画「小津映画と私」と題し、朗読劇「音語り」のダイジェストを披露し、トークゲストとして俳優の佐野史郎さんを相手に小津監督はじめ、映画俳優・監督でもある佐野さんと幅広いテーマで対談。満員の客席から笑いも起きた。映画「晩春」の名場面・京都旅行での最後の夜を父・笠智衆、娘・原節子に扮しふたりで演じた。ふだんはひとり語りなので、一日だけのまさに「特別企画」だった。貴惠さんによると、小津組の山内静夫プロデューサーに相談。山内プロデューサーが朗読劇用に書き下ろしたという。貴惠さんとの共同作業で、小津映画をみごとに再現した。ダイジェストではない「音語り」の「晩春」「秋刀魚の味」「東京物語」「麦秋」も見たい聞きたいなあ。

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