文藝別冊「萩原健一」が話題

「文藝別冊 萩原健一 傷だらけの天才」が河出書房新社から出た。表紙と裏表紙は、若き日のショーケン、かっこいい! 内容は、巻頭に映画史・時代劇研究家の春日太一氏の「総論 俳優・萩原健一のあゆみ」と「太陽にほえろ!」の岡田晋吉元日本テレビプロデューサーがインタビュー形式でショーケンを振り返る。マカロニ刑事役で一躍テレビドラマのニュースターに躍り出たところを証言。最初、ニックネーム・マカロニが「坊や」と呼ぶ予定だったなど当時、現場の雰囲気が生き生きとよみがえる。再録は、本人のインタビューをノンフィクション作家澤地久枝さんが担当(講談社「現代」91年4月増刊号)や、出演した「影武者」黒澤明監督との対談がおもしろい(「キネマ旬報」76年新年特別号)。映画やテレビの出演目録やディスコグラフィーも収録されている。千三百円+税。
ショーケンを音楽面で支えたのは、映画・テレビドラマ音楽を多く手がけた大野克夫氏と、昨年亡くなった井上堯之氏。本文中に「太陽‐」音楽担当者(テーマ曲の作曲)が堯之さんとなっているが作曲は大野さんで、初期の演奏が井上堯之バンドとクレジットされているための間違い。「傷だらけの天使」も同様で、テーマ曲は大野さん、「天使の憂鬱」など一部を堯之さんが作曲している。