追悼柴田侑宏先生

さる7月19日亡くなった宝塚歌劇団元理事でベテラン演出家の柴田侑宏氏(享年87歳)の追悼文が9月2日付毎日新聞朝刊「悼む」欄に掲載された。書いたのは、演出・振付家の謝珠栄さん。1997年、柴田氏が脚本を書いた「黒い瞳」の演出と振り付けを依頼されて以来、新作5本と再演4本を担当。昨年夏、宝塚大劇場と東京宝塚劇場での雪組公演「凱旋門」が最後のコンビ作となった。謝さんの追悼文はご自身の歌劇団生徒時代を振り返り「70年代、先生の演出を受けられる事に大喜びしたのを思い出す。人情味溢れる物語と同じく稽古場での演出も温かく時に厳しく愛情溢れるものであった。『人間を描きたい』とおっしゃっていた先生らしい仕事ぶり」と綴っている。昨年から体調が思わしくなくなってからも車椅子で稽古場へ顔を出していたことも書いてあり、眼病を患われながらも仕事を続けていたことがうかがわれ、感銘した。
筆者とは宝塚歌劇団創立100周年あたりから親密度が増した。その年の夏、トークショーを制作、初めて構成・演出と司会も担当した。そのすこし前、お気に入りの宝塚ホテルでプロモーションのため朝日新聞の取材を受けてもらった。滝沢美穂子カメラマン撮影の掲載写真は、エテルノ西宮で執り行われた通夜・葬儀告別式の遺影として使われた。

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