ユリイカ臨時増刊「萩原健一」

雑誌「ユリイカ」令和元年7月臨時増刊号「総特集萩原健一 ショーケンよ、永遠に」(青土社発行)が書店に並んでいる。テレビ「傷だらけの天使」タイトルバックの有名なシーンを表紙に使い、“ショーケン特集か!”とピンとくる。筆者はショーケンといえば、映画では「青春の蹉跌」「アフリカの光」などの神代辰巳監督、「いつかギラギラした日」などの深作欣二監督が浮かぶがすでに鬼籍に入っており、追悼企画には遅すぎたかなと感じていたのだが、「傷天」を担当した恩地日出夫監督こそ、タイトルバックを演出した人と最近知った。
さて、特集は横尾忠則「永遠に子供の魂」、蜷川有紀「『もどり川』撮影譚」にはじまり、恩地監督の「『傷だらけの天使』のレクイエム」や出演映画やテレビ作品解説など盛りだくさん。なかでも、現在は個性派俳優となった岸部一徳の聞き書き「PYGの挫折と予感」がおもしろい。俳優以前はベーシストとして、ショーケンと沢田研二が組んだPYGで一緒にプレイしたメンバーのひとり。テレビ「太陽にほえろ!」は同じくメンバーの大野克夫、映画「青春の蹉跌」は同じく井上堯之が音楽を担当。それ以降のテレビや映画音楽世界を変えた。起用にはショーケンがひと役買っていたのは言うまでもない。

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