ワイズ出版の新刊「新東宝」

映画関係書籍を刊行しているワイズ出版(東京・新宿区。岡田博社長)の新刊「新東宝1947-1961 創造と冒険の15年」(3700円+税)が話題を呼んでいる。15年という歴史の映画会社新東宝があった。㈱新東宝映画製作所から何度も社名は変わり現在は東宝の関連会社国際放映㈱が継承。同書は八百本以上の映画作品と関連作品をすべて網羅した貴重本。編者は監督経験もある映画研究家のダーティー工藤氏。企画協力は国際放映。
木暮実千代主演「明治一代女」などスチール写真の「アルバム」から始まり「新東宝の歴史」、石井輝男監督や丹波哲郎ら31人の「インタビュー」は読みごたえ十分、全作品を収録した「フィルモグラフィー」、さらに「新東宝解散後の関連作品」「索引」「あとがき」まで384ページ。松竹、東宝、東映と日活、大映(現KADOKAWA)の五社に加え、新東宝も入れた「六社」が群雄割拠した戦後の日本映画全盛期。大藏貢社長時代、嵐寛寿郎が明治天皇に扮した57年4月29日公開のシネスコ版「明治天皇と日露大戦争」(総指揮大藏貢、原作・監督渡辺邦男)、スタンダード版(撮影はブルース・リー映画の西本正)も5月14日公開とちゃんと書いてある。両作は同じ映画でありながら、別作品。また初公開以降の「改題短縮版」も併記している。