コラム|「銀座百点」1月号

銀座百店会発行「銀座百点」がたのしかった。巻頭の海堂尊さんと谷村志穂さんの作家対談「生を思い、人間を書く」から始まり、ドキュメンタリーもので定評のある作家・保阪正康さんの「回想・『銀座マン』の時代」が興味深く、保阪さんにサラリーマン時代があったことを初めて知った。しかもそれが朝日ソノラマという“音の出る雑誌”(ソノシート)を発行していた会社に勤めていたとは驚いた。しかもビートルズ来日で記者会見以外の会話を独占しようと企んだというのだ。会見後、ホテルへ向かう車に並行してマイクを差し出すとリンゴ・スターとポール・マッカートニーが窓を開け会話。残念ながら音は風の音のみで失敗に終わったの巻だった。
アニメの米林宏昌監督の「銀座ジャック」や歌舞伎関係の著作が多数ある関容子さん「銀座で逢ったひと・加藤治子さん」では加藤さんが戦前、東宝映画に抜擢されて、エノケン(榎本健一)の相手役に出ていたことを書いている。「百点対談」は、元NHKアナウンサー山川静夫さんと歌舞伎俳優尾上松緑さん。歌舞伎座の「二月大歌舞伎」は父親の故初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言で「名月八幡祭」に縮屋新助で出演する話や時代小説好きで池波正太郎はもちろん、司馬遼太郎、柴田錬三郎の名前が出ているのも興味深かった。