コラム|筋書でみる歌舞伎座130年⑥

12月の歌舞伎座「十二月大歌舞伎」夜の部は坂東玉三郎の熱演で札止めの人気。「壇浦兜軍記阿古屋」は玉三郎出演のAプロと中村児太郎と中村梅枝が交互に阿古屋を演じるBプロが話題を呼んでいる。公演ごとに発売される「筋書」(プログラム)で、好評の連載企画「筋書でみる歌舞伎座130年」は今回が最終回。公益財団法人「松竹大谷図書館」(理事長・大谷信義松竹会長)所蔵資料を紹介するもので、同図書館スタッフが執筆。
12月の第10回の内容は、名物企画の話。戦前の筋書はあらすじと配役がメインだったが、昭和26年からの第四期はさまざまな読み物や資料が掲載されるようになった。同28年1月からは前年一年間の公演記録を掲載するようになる。これは現在も毎年1月の巻末に「歌舞伎座興行年表」として続いており、資料として貴重。さらに戦後は演目のくわしい解説や時代背景、作者や演出家の言葉なども載るよう。演目の舞台となった場所を訪ねたり、歴史的事実を紹介する「芝居と史実」ものなど多彩な読み物がある。同38年6月は「歌舞伎の刀」を掲載し、刀が重要な小道具となる「籠釣瓶花街酔醒」などを紹介。かつて東映で「妖刀物語花の吉原百人斬り」(60年・監督内田吐夢)として映画化されたもの。二代目中村吉右衛門が演じる舞台で有名。(終)

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