コラム|筋書でみる歌舞伎座130年⑤

連日大入りが続く歌舞伎座で公演ごとに発売される「筋書」(プログラム)。好評の連載企画「筋書でみる歌舞伎座130年」。公益財団法人「松竹大谷図書館」(理事長・大谷信義松竹会長)所蔵資料を紹介するもので、同図書館スタッフが執筆している。
10月の第8回の内容は、食堂。歌舞伎座は芝居茶屋が観劇や食事の手配をまとめて手配する“お茶屋制度”から、切符は窓口で、食事はそれぞれ食堂で注文できるように改革を進めた。第二期の大正2年の筋書によると、場内には本格的な日本料理や西洋料理から軽めのそばやおでんまでさまざまな料理を出す各店が並んでいる。
11月の第9回の内容は、広告。歌舞伎座の筋書には明治30年代から広告が掲載されるようになる。食品、旅館の案内などに加えて、特に櫛(くし)やかんざし、指輪など宝飾品や呉服店などが多いのが特徴的。一番早い時期に掲載されたと思われるのが明治36年11月の「三越呉服店」で、現在の三越百貨店。まだ珍しかった色刷り。舞踊「近江のお兼」の布晒の場面のシルエットと詞章をあしらったもの。歌舞伎座の観客を意識したデザインだった。また同44年1月にはのちに有名になった「今日はお芝居・明日は是非とも三越へ」が掲載されている。

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