コラム|NHK「三大巨匠 奇跡の名画」

24日NHK総合と27日NHK・BSプレミアムで放送された「三大巨匠奇跡の名画~4Kでよみがえる黒澤・小津・溝口~」。黒澤明監督の「羅生門」(50年)、小津安二郎監督の「浮草」(59年)、溝口健二監督の「雨月物語」(53年)など名作の数々を12月1日スタートのNHK4K放送の目玉に据えてのメイキング番組だった。この3作品はいずれも大映(KADOKAWA)作品。「浮草」は東京多摩川撮影所で、あとの2本、今はない京都撮影所(現在はマンションや中学校。碑文があり撮影所だったことがわかる)。
この3本の撮影監督はみんな名キャメラマン・宮川一夫さん(一九〇八-一九九九)なのだ。「羅生門」は森の木陰から太陽を写す大胆さ、「浮草」のみアグファカラーで小津監督独特のローアングル、「雨月物語」は長回し。いずれも宮川キャメラマンとわかる“宮川一夫”というハンコが押してあるほどの鮮やかなカメラワーク。著書「キャメラマン一代」(PHP研究所刊)に「たった一度の恋」と表現するほど小津監督とは一度組んでみたかった映画監督だったのだろう。小津監督のほうはホームグラウンドの今はない松竹大船撮影所のスタッフに「宮川一夫が撮ったラムネ瓶の美しさを見習え」と言ったという。もっと組んでもらいたかった!