♪ダバダバダ…仏映画「男と女」(66年、監督クロード・ルルーシュ)の主題歌だ。一度聴いたら忘れないスキャットのメロディーは音楽を担当したフランシス・レイの独壇場だった。そのレイが7日までに亡くなっていたと仏メディアが伝えた。86歳。同作以降も監督と音楽コンビは続くが、レイをさらに有名にしたのはハリウッドで撮った「ある愛の詩」(70年、監督アーサー・ヒラー)で、アリ・マックグローとライアン・オニールとの悲恋物語。アカデミー賞作曲賞を受賞した。
その2年後に公開されたルルーシュとのコンビ作「冒険また冒険」の音楽が好きだった、ようだ。リノ・ヴァンチュラ主演で、コメディータッチの暗黒街もの。流麗なメロディーが合うレイには珍しく野性的な音楽が多かったと記憶していたのだが、ユーチューブで検索してみたら、ピアノ曲にアレンジされていた曲はいつものタッチで、記憶が違っていたのかなと少々落ち込んだりしている。レイ単独では、大ヒットした続編にあたる「続エマニエル夫人」(75年)など俗っぽいメロディーラインではあるのだが、覚えやすいのはレイらしさというべきか。この人の音楽は当時、喫茶店などで有線放送から流れていたポール・モーリアオーケストラたちのイージーリスニングでおなじみがあった方も多いはず。
フランシス・レイ死去
