コラム|「笠原和夫傑作選」全三巻

あの「仁義なき戦い」(1973年東映京都撮影所作品。監督深作欣二、主演菅原文太、音楽津島利章)の脚本家笠原和夫氏(2002年没。享年75歳)。「笠原和夫傑作選」全三巻が国書刊行会から出る。さきごろ、第二巻が刊行された。「仁義なき戦い-実録映画篇」と題され、第一作の大ヒットを受け同年「第二作 広島死闘篇」「第三作 代理戦争」と立て続けに公開され、第四作「頂上作戦」(74)のシリーズ4本収録はじめ、「県警対組織暴力」(75)「やくざの墓場くちなしの花」(76)、さらに未映画化の「沖縄進撃作戦」「実録・共産党」も収録。解説伊藤彰彦。
当時のプロデューサー日下部五朗氏もメッセージを寄せている。「赤裸のやくざがスクランブルのように入り乱れ、狂犬どもの湯気立つ内臓が飛び跳ねている」映画は、任侠映画の様式美にちょっと疲れた高校生の筆者を狂気させた。その後、山下組の末席に加えてもらった人間には山下耕作監督が酔えば酔うほどに饒舌となる話に必ず笠原氏との名コンビを振り返るエピソードをいろいろ聞いた。来月刊行の第一巻に登場する「博奕打ち総長賭博」(68)は津島氏との名トリオが作り上げた傑作。「撮影に使った脚本見せてください」と言えば、ショーグン監督は「あんまり出来がよいので酒場で誰かにあげたよ」。