CG映画の中のアナログ

9月11日付朝日新聞朝刊文化・文芸ページの「テクノロジー×表現」欄に、「CG映画 アナログで感情表現」という記事の見出しが目を引いた。現在、興行収入80憶円超えの大ヒットをつづけている「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(配給東宝東和)のスチール写真をあしらい構成されている。1993年にスティーブン・スピルバーグ監督がシリーズ第1作「ジュラシック・パーク」を手がけて25年。巨大なブロントサウルスがのっしのっしと歩き高い木の上にある草を食べるシーンは映画でなく、本物の恐竜が甦ったと思ったほどの衝撃だった記憶があるし、USJのアトラクションでも登場し親近感もあった。
そして、あのティラノサウルスが人間に近づき、ライドをのぞき込む場面は恐怖そのもの。それがCGではなく、アニマトロニクスというテクノロジー(技術)の成果と知った時の驚きも相当なものだった。「-炎の王国」のJ・A・バヨナ監督も全部CGに頼らずアニマトロニクスを使い恐竜ロボットを使った。CG技術では表現できない繊細な感情を演出したかったからだ。専門のスタッフが遠隔操作で恐竜を動かして俳優と一緒に画面に映る。バヨナ監督によると「俳優たちは本当に生きた恐竜といる気分になれた」と記事は紹介している。