現在、東京宝塚劇場で上演中の宝塚歌劇雪組公演・かんぽ生命ドリームシアター「凱旋門」(脚本柴田侑宏、演出・振付謝珠栄)が話題を呼んでいる。エリッヒ・マリア・レマルクの小説が原作。映画では、1948年にイングリッド・バーグマンとシャルル・ボワイエで映画化。宝塚では2000年に雪組で初演以来の再演で、専科の轟悠がトップスター時代と同じ18年ぶりに主役のラヴィックを演じ、現トップスター望海風斗、娘役トップ真彩希帆が共演。轟は当時、文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞を受賞するなど絶賛を博した。
舞台は、第二次世界大戦前夜のパリ。ドイツから亡命してきたラヴィック(轟)は友人のボリス(望海)に助けられながら無免許医師として生きていた。そんな時、やはりイタリアから亡命してきたジョアン(真彩)と恋に落ちる。過酷な運命に翻弄されながらも懸命に生きる人々の姿を“宝塚のモーツァルト”故寺田瀧雄の主題歌「雨の凱旋門」「いのち」など名曲に乗せて描いている。柴田は再演のため脚本を加筆、謝の演出もさらに磨きがかかった。寺田は初演時に死去。遺作となったが、名曲は歌い継がれて「雨の凱旋門」は再演のたび話題になるだろう。同時上演はショー「GatoBonito!!」(作・演出藤井大介)。9月2日まで。
宝塚歌劇雪組公演「凱旋門」
