コラム|筋書でみる歌舞伎座130年③

大入りが連日続く歌舞伎座で公演ごとに発売される「筋書」(プログラム)。3月からの連載企画「筋書でみる歌舞伎座130年」。公益財団法人「松竹大谷図書館」(理事長・大谷信義松竹会長)所蔵資料を紹介するもので、同図書館スタッフが執筆している。
7月の第4回は、第4期(昭和26年1月‐平成22年3月)から。近代画壇の画家たちが揮毫した作品が登場。昭和38年1月は牡丹の表紙。伊東深水はさきごろ亡くなった女優朝丘雪路の父。7月・紫陽花の表紙は、橋本明治など。第四期の場内には、ロビーや階段の踊り場などに絵画作品が飾られるようになった。そのうちのいくつかは筋書の表紙に。現在の第五期にも展示は継承され、美術館より身近に名画に親しめる贅沢な空間になっている。
8月は、終戦記念日の月にあたり、第三期の日中戦争・太平洋戦争時代の筋書を紹介している。このころ、場内には前線の兵士に送る慰問品の売り場が設けられた。ここで買い物をして宛名と住所氏名を記すと、陸軍へ届けられ各戦地へ送られる仕組み。昭和15年は紀元二千六百年を祝い2月や4月には華やかな表紙が飾り、同年12月は「銃後奉公強化 スパイの手に乗るな」、開戦の16年12月には「納税奉公 増産報国 一億銃後の護りは固し」という標語が踊っている。