コラム|奥田瑛二「津川さんを悼む」

俳優で映画監督の奥田瑛二が8月14日付の毎日新聞夕刊に「津川雅彦さんを悼む」と題した追悼記事を寄稿している。さる4日に78歳で亡くなった津川さんと奥田は7月24日、親しい友人数人で食事をしたのが最後。酸素吸入器を手放せない状態だったが、食欲旺盛とても元気で「いやー、楽しかった」と言い、8月中にまた会う約束をしたとか。
最初の出会いは、87年のNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」。奥田が石田三成役で、津川さんが徳川家康役。以来、10歳年上なので声をかけられなかったが、津川演出の舞台に出演したのがきっかけでゴルフや酒席で一緒になるようになった。「ここまで親しくなれたのは、正面からぶつかっていく僕を、津川さんが受け止めてくださったからです」ときっぱり。「独眼竜」放送終了後のゴルフコンペ前夜の宴会で大ゲンカして、奥田の方から声をかけられなかったようだが、津川さんは「お前、まだ気にしてるのか」などと笑って言い、復活。奥田にとっては「兄」のような存在だった。役作りには「俳優はせりふをきちんと消化して血と肉にするものだ」と話し、せりふを「せりふ」として覚えるのではなく、「自分の内面から出る言葉にしないといけない」と話してくれたと、しみじみ書いている。