コラム|「砂の器」加藤剛死去

俳優の加藤剛さんが6月18日亡くなっていた。7月9日わかり、死因は胆のうがんだった。葬儀・告別式は家族葬で執り行い、後日お別れの会を開く。長年にわたり国民的テレビドラマ「大岡越前」で人気を博した。加藤さんは早稲田大卒業後、俳優座へ入り、知性あふれる二枚目役者として注目を集めた。
映画では、小林正樹監督の東宝「上意討ち-拝領妻始末-」(67年)、山本薩夫監督の日活「戦争と人間・第一部」(70年)などに出演後、代表作となる松竹・橋本プロ「砂の器」(74年、監督野村芳太郎)に主演。過去を持つ作曲家でピアニストの和賀英良を演じた。さる4月の松竹シネマ・コンサートで「砂の器」が昨年に続き上演され、オーケストラの生演奏のため、舞台で加藤さんが指揮していると思うほど。晩年は角川「沈まぬ太陽」(09年、監督若松節朗)では、老練な首相役を難なく演じた。そんな中、筆者のおすすめは72年9月に見た東宝創立40周年記念作品の勝プロ「子連れ狼 死に風に向う乳母車」。旧大映の三隈研次監督の大チャンバラ映画で、勝新太郎の兄若山富三郎主演の代表作シリーズ第三作。加藤さんは拝一刀と対決する渡り徒士の浪人役。悪役側だが、加藤さんが演じるとどこかニヒルさが漂って印象深かった。今夜は帰って追悼DVD鑑賞しよう。