コラム|吉永・高倉共演2本の映画

吉永小百合映画出演120本記念の東映配給「北の桜守」が大ヒット上映中―。全作品から、特に思い出深い映画を自選し、知られざるエピソードを語り尽くした「私が愛した映画たち」(集英社新書)の第五章「高倉健さんと初共演」が興味深い。「動乱」(80年)「海峡」(82年)の2本。初共演と最後の共演。「『動乱』の場合は、岡田裕介さん(当時フリー製作者。現東映グループ会長)が初めから『高倉さんと私で』ということで、時間をかけてじっくり練っていただいた企画でした」(吉永)。そして高倉と「大泉の東映東京撮影所で『初めまして』と、お会いした後、すぐ北海道ロケに行ったんです。私がやった薫という役は貧しい農家の娘で、借金のかたに売られて、当時日本の植民地だった朝鮮半島で苦海に身を沈めているんです。そこで自殺を図り、雪の上に放置されているのを、高倉さんが演じた宮城大尉という青年将校が救うシーンから撮影が始まりました」と語る。
吉永はさらに重要なことを語っている。「『動乱』『海峡』の後は、映画に出る出ないかは自分で決めよう、と強く思うようになりました。人任せだと、どうしても、うまくいかなかったときに人のせいにしてしまう。だけど自分で決めれば、よくても悪くても納得できると思って…」。現在はすべて吉永本人が決めているという。