㈱スリーシェルズ(西耕一社長)が24日リリースの「太平洋ひとりぼっち 音楽大全/芥川也寸志・武満徹作曲(SOUNDTRACK CD BOOK)」は、映画のために録音された音楽48曲73分を超える全曲をデジタルマスタリングを行った究極の大全。楽曲の中にはOKテイクはじめ、別テイクや本編未使用曲も含めてすべて収録しファンにとってはうれしい。壮大で美しいメインテーマはじめ、主人公の不安な心情を表現した前衛音楽的な響きを持つ曲やハサミを楽器として演奏された曲も興味深い。今回、「分厚い解説書がついていて欲しい」というファンのリクエストに応えてA5サイズ40ページのブックレットと音楽CDという新たな「SOUNDTRACKCDBOOK」形式の実験的な発売となった。内容は、秘蔵のカラー、モノクロのスチール写真、音楽録音シートなど多数の写真と、映画評論家の上妻祥浩氏による楽曲ごとの詳細な解説と新・3人の会の作曲家徳永洋明氏による芥川也寸志と武満徹の音楽作法とその交友を踏まえた作品分析など豊富で、資料的価値も高い。映画「太平洋ひとりぼっち」は、1963年10月公開。製作は日活と石原プロ(第一回作品)。監督市川崑。配給日活。音楽は巨匠ふたりの共作となっているが、本CDでは作曲、オーケストレーション、指揮などふたりの仕事ぶりとその考察も試みられている。3056円(税込み)。同社では戦後、日本映画音楽を担当した「ゴジラ」の伊福部昭や黒澤明監督の「用心棒」「赤ひげ」などを担当した佐藤勝らを積極的に取り組んでいる。佐藤が作曲した「戦争と人間 音楽大全」(2枚組)4400円(税込み)などもリリース。
「太平洋ひとりぼっち 音楽大全」内容充実|「戦争と人間 音楽大全」などラインアップ!
